JAいしのまきは3月19日、輸出用米の初出荷を行いました。2017年産で輸出用米「ひとめぼれ」を約34㌧生産し、このうち精米2㌧を出荷しました。新鮮な米を届けるため、真空包装に加え、窒素ガスを充填した精米400袋(1袋5㌔)を出荷しました。4月27日からシンガポールの日系デパート伊勢丹で販売します。海外へ新たな販路を開拓し、農家所得の向上を狙います。
JAは15年9月に、全農みやぎを通じて米の試験的な輸出を行ったほか、宮城県産米を多く取り扱う東京都の米卸業者、木徳神糧㈱の協力を得て17年6月に、シンガポールまでの輸送試験、炊飯試験を行いました。また、17年7月に試食会を開き、現地バイヤー・マスコミに米のおいしさと真空包装の優位性をアピールするなど準備を整えてきました。
16年9月には輸出に加え、震災後の急激な担い手の規模拡大を鑑み、主食用・輸出用米を集約するカントリーエレベーター建設計画へ着手。今年5月に完成し、9月から稼働する予定です。施設内には、長距離輸送での品質維持のため、窒素ガスを充填できる真空包装設備も導入しました。同日開いた出発式にはJA役職員など50人が参加。松川孝行組合長は「今日が米の輸出の第一歩。今後は経験と実績を重ね、さらに大きな市場での販売も視野に入れ、農家所得の向上に取り組んでいく」とあいさつしました。輸出用米をトラックに積み込んだ後、テープカットで出発を祝いました。
18年度は輸出用米を25㌶、135㌧生産する計画。今後、販売先の検討をしながらさらに拡大させていきたい考えです。また、輸出先の信頼性向上、取引拡大に向け、1月に設立した「JAいしのまきGAP研究会」が主体となり、ASIAGAP(玄米)と、JGAP(精米)の団体認証取得を目指していきます。