
石巻市桃生地区でミニトマト9㌃、アスパラ5㌃などの園芸作物を栽培している成澤利香さん(48)は車で移動する産直八百屋「野菜屋ハレノヒ」を始めました。
成澤さんは、農事組合法人で働いていましたが、自営で農業を始めたいと、4年前に独立。法人で働いていた知識と経験を生かし、栽培から販売まで一人で行っています。
小さなころから八百屋に興味があったそうで「買い物に不便を感じている人たちに、少しでも新鮮な野菜や果物を届けたい」と、移動する産直八百屋を始めました。
さまざまな縁がつながり、石巻市内の介護老人福祉施設から依頼を受け、自身で作った野菜のほか、市場や知人などから直接仕入れ、施設前で月1回販売し、イベント等でも出店しています。
オープン時間になると、施設利用者や近所に住む人たちが集まり、並べた野菜や果物を楽しそうに手に取り、買い求めています。
利用者は「毎月、来るのを待っている。野菜や果物は新鮮で値段も手ごろでおいしいし、とても助かっている」と笑顔で話します。
成澤さんは「正直なところ、ほとんど利益はない。それでも多くのお客さんが待っていて、笑顔を見られるのはうれしいし、楽しい。ただ黙々と野菜を作るだけでなく、販売や加工も手がけ、楽しみながらできる私なりの農業に取り組んでいきたい」と思いを語ります。
「これからもいろいろな場所で、移動八百屋だけでなく、キッチンカーでも野菜を使ったスープなどの販売をしていきたい」と意気込みます。