２２日は、国連が定めた「国産生物多様性の日」です。東松島市の水稲農家らは、マイクロプラスチックによる海洋汚染を防ぐため、プラスチック殻で覆う粒状肥料からペースト肥料や液肥への転換を進めています。

　ＪＡでは、ペースト肥料の2段施肥を推進。この手法は、土壌表面から３～５㌢の上段と９～１５㌢の下段に分け、同時にペースト肥料を注ぐ。根の成長に合わせて肥効が持続するため、原則追肥が不要です。田植え機に載せたタンクから田植えと同時に施肥ができ、省力化も期待できます。

市内では、海岸に近い水田を持つ農業法人を中心に、脱マイクロプラスチックの機運が上昇。２０２１年度に５５アールでペースト肥料の試験栽培を始めました。当初は、収量がやや下がったものの、ペースト２段施肥の技術を磨き、収量を安定させました。

　ＪＡも農業法人や肥料メーカーの片倉コープアグリ（東京都千代田区）とともにペースト絵段施肥の試験栽培を実施。データを生産者に提供するなどして後押ししてきました。

２３年度１０㌶、２４年度２７・５㌶と徐々に取り組みを拡大。本年度は、導入する農家が一経営体増えて５法人計８５㌶で行います。

　そのうちの一つ、「めぐいーと」は、２４年にみどり認定を受けたこともあり、本年度は取り組み面積を７㌶弱広げた。土井芳伸副社長は「東松島のため、環境に優しい米づくりを続けたい」と話します。

　市内では、乾田直播（ちょくは）栽培の圃場で液肥の流し込みの取り組みも進んでいます。６㌶弱で始まった２２年度から徐々に広がり、本年度が１７㌶で行う予定です。

　今後もＪＡは、環境に配慮した持続可能な農業に向けて、巡回指導などを通じて支援を続けていきます。