
東松島市牛網の(株)サンエイトは、東日本大震災の津波被害を受けた住宅跡地の有効活用を狙い、大豆の試験栽培を始めました。JAいしのまきや肥料メーカーの協力を得て施肥方法などを改善して収量を確保し、10㌃当たり250㌔を目指します。試験結果の情報はJAなどを通じ、管内の被災農地で大豆を栽培する農家に提供する方針です。
同社は国の農業生産対策交付金などを活用し、施設や機械を整備。平成25年に営農を再開しました。26年からは被災した住宅跡地で大豆栽培を始めました。27年の収量は10㌃当たり150㌔でしたが、28年は同100キロに低下。収量減少に歯止めをかけるため、10㌃当たり250㌔の目標を定め、新たな施肥方法などを確立することにしました。
JA鳴瀬支店で3月上旬、同社の石森康夫代表取締役と肥料メーカー、石巻農業改良普及センター、JAの担当者が集まり試験栽培の計画を確認しました。
試験区は3区、計65㌃設け、元肥と土壌改良材の組み合わせを変えて栽培。元肥は石灰窒素を主体としています。施肥、種まきは6月上旬を予定し、JAと普及センターが生育や収量を調べる予定です。
石森代表取締役は「各方面の協力を得ながら目標を達成したい。手間を惜しまずやっていきたい」と意気込みます。肥料メーカーの担当者は「大豆栽培は3年目以降、雨水などの影響で土壌中の養分が減り地力が落ちる。そういう状態の時に効果の高い肥料を使い、土づくりをする必要がある」と話しました。