出荷前の作業効率を上げようと、石巻市鹿又の農家・桜田清逸さん(65)が、地域の先輩が手作りしたカボチャ磨き機を導入しました。カボチャを入れて回転させると表面に付いた土が取れ、つやが出ます。桜田さんは「手で磨くより大幅に時間が短縮され、効率が上がった」と話します。

磨き機はコンクリートミキサーを改造したもので、回転するミキサー部分の内側に人工芝とモップが張り付けられています。一度にカボチャ4~6個を入れることができ、自動で回転。摩擦によってカボチャの表面についた土が取れ、30秒ほどでつやが出てきます。
桜田さんは現在、約10㌃でカボチャを栽培し、800個近くをJAいしのまき直売所に出荷したり、知人に販売したりしています。これまでは収穫したカボチャを一つ一つたわしで磨いていましたが、体力的に厳しくなってきたことから、昨夏、ものづくりを趣味とする先輩の佐々木藤一郎さん(74)に「何かいい方法はないか」と相談しました。佐々木さんがミキサーの内側にイグサや稲わらなどさまざまな素材を張り付けて試行錯誤し、今年6月に完成させました。
桜田さんは「機械が磨いてくれている間、ほかの作業もできるのでとても助かっている。今後は栽培面積を増やすことも検討したい」と意欲的です。佐々木さんは「生産者の苦労話を聞きながら構想した。喜んでもらえてうれしい」と話します。