
コメの輸出拡大を図ろうと、JAいしのまきは7月20日、シンガポールでいしのまき産「ひとめぼれ」の試食会を開きました。JAが「ひとめぼれ」を海外販売するのは今回が初めて。年内までに現地での販売を始める計画で、島内の日系スーパーや飲食店での販売を検討しています。
JAは平成27年産米を試験的に輸出。今年6月には試験輸送を行い、輸出ルートを確認しました。JA管内に新たに建設中のカントリーエレベーターに、真空包装設備を導入する計画を進めています。精米後に米袋内を脱気し、窒素ガスを充填して精米したての鮮度を保ち、船便での輸送や現地での長期販売に対応します。
シンガポール中心部のワン・ファラー・ホテル&スパで開いた試食会は、全農みやぎ、木徳神糧株式会社と連携して開催。米卸業者や現地メディアなど70人が来場しました。JA営農部米穀課の今野実課長補佐がいしのまき産米の紹介と真空包装のメリットについてプレゼンしたほか、現地の食事情に詳しい新田周平シェフがコメをメインに使った料理を振る舞いました。日本、タイ、インド、フランス、イタリアの各国料理風にアレンジした5品を提供し、炊きたてのコメと和牛も用意しました。
来場者からは「日本米の販売は日本料理店にというイメージが払拭された」、「多国籍の料理にも『ひとめぼれ』は合う」などの意見が聞かれ、現地での販売拡大の可能性が見えてきました。
JAの松川孝行代表理事組合長は「勝ち残るためには値段と味の競争になるので、市場の動向を見ながら進めていく。今後、様子を見ながら他の国でも展開していきたい」と話します。