
東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合いちじくの里は8月10日、東日本大震災の津波被害を受けた農地で栽培していた桃を初めて収穫しました。昨春に植えた140本のうち、70本からたわわに実った約300個を収穫し、地元住民らに配りました。
桃の栽培は、県と市、JA、地域農業者が取り組む「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」の一環。津波被害後に水稲栽培が難しくなった水田を県が造成しました。桃は60㌃で栽培しており、福島県の桃農家の指導を受け、剪定や消毒などの管理を行ってきました。
初収穫には同組合員とJAなどの関係者ら17人が参加。しっかりと色づいた桃を一つ一つ丁寧にもぎ取っていきました。中には、ハクビシンの食害に遭ったものもありましたが、同組合の尾形善久組合長は「初めてにしては上出来。収穫できるか不安だったが、立派な桃に育ってびっくりしている」と喜びました。
収穫した桃はその場で試食。甘さと酸味が感じられ、組合員らは「うまい」「ちょっと硬めだから日持ちしそうだ」と話していました。尾形組合長は「来年は今年より一層いい桃にしたい」と話しました。
来年以降は食害対策を強化し、出荷とともに観光農園としての活用を目指します。