
石巻市水沼地区の農事組合法人水沼ファームは6月16日、同地区の圃場1㌶で試験的に栽培してきたもち性の大麦「ホワイトファイバー」の収穫を行いました。JAや県古川農業試験場の協力を得て試験を実施。今作は昨年10月の台風や冬場の低温などの影響で、生育量が平年と比べて少なく、心配されましたが、三月以降は天候に恵まれ、平年並みの収穫期を迎えました。同組合の中沢清志代表は「他品種と比べても栽培管理に差はなく、病害虫などの耐性も問題なかった。消費者の需要もあるので、積極的に栽培したい」と手ごたえを話します。
もち麦は、米や小麦に比べて食物繊維が多く含まれ、もちもち、プチプチした食感が特長で、健康志向の消費者の間で話題となっています。
現在、販売されているもち麦の多くが海外からの輸入品で、消費者の国産志向が高まっている中、JA管内では今秋から一般作付けを始めることにしています。管内の大麦作付け面積の約17%に当たる100㌶を、15の組織で栽培する計画です。来年以降は栽培の結果を踏まえ、面積の維持、拡大を検討していきます。
試験栽培は本格的な作付けを前に、管内で作付けされる大麦「シュンライ」などとの生育状況の比較や病害虫の抵抗性などについて調査しようと2016年から行ってきました。収穫は同組合のメンバーがコンバインを使い、黄金色に輝く大麦を次々と刈り取りました。同組合では、今秋からの栽培面積を10㌶に拡大する計画です。