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JAいしのまきセリ部会は3月29日、葉セリの収穫を目前に現地検討会を開きました。「葉セリ」の現地検討会は、同部会が「河北せり」のブランド化を目指し、農産物として県内初となる地理的表示保護制度(GI)の登録に向けて今回初めて行いました。
同日は、伝統ある野菜の継承と品質を高め、統一を図ろうと、部会員6人が参加しました。冬場の寒さが続き生育が心配されましたが、ネットを張るなど防寒対策を徹底したことや、生産者の管理が行き届いていたことから順調に生育。講師を務めた宮城県東部地方振興事務所の鈴木俊矢技師は「病害虫被害がなく、伸びも良いので生育はとても良好。初めての葉セリの現地検討会だが、生育状況を知る良い機会になった」と話しました。
同地区では、JAいしのまきセリ部会と石巻市河北せり出荷組合、皿貝農産組合が昨年7月に「河北せり振興協議会」を設立ました。GI登録によるブランドの確立、知名度向上を狙い、他産地との差別化に取り組み、地域活性化や若手農家の就農、農家の所得向上につなげます。
葉セリは、冬に一度枯れたセリの根から、春の暖かさで出てきた新芽を収穫します。香りと柔らかさが人気で、根をつけたまま収穫する冬セリと違い、葉茎のみを刈り取ります。「葉セリ」は、石巻地域特有の産物で柔らかく香りが良いクセの少ない品種「飯野川在来」限定で出荷。柔らかいため、長距離輸送には向かず、地元市場のみに出回る希少価値の高い食材となっています。
今年は部会員10人が0.9㌶で栽培。5月下旬までに17㌧を㈱石巻青果とみやぎ生協に出荷する予定です。
セリの生産者であり、同協議会の高橋正夫同部会長は「葉セリの知名度がまだ低い。たくさんの消費者に葉セリのうまさを知ってほしい。積極的に試食会などでPRし、GI登録に向けても品質を向上・統一し販売高を向上させたい」と意気込みを語りました。