
尾形善久組合長㊨とJA職員
東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」が2016年4月から栽培を始めた「紅綿香(くにか)」70本と「まどか」70本の桃の花が満開を迎えています。
同組合は、平成27年4月に設立。漁業従事者も多く構成員8人で「農地を守り新たな地域特産にしよう」と、試験的にイチジクの栽培をスタートしました。28年には桃の栽培を始めるにあたり石巻市内の種苗店グリーンサムの紹介で、福島県国見町の果樹農家「わくわくみちのく夢ファームグループ」代表の遠藤道男さんが生産した桃の接木苗を仕入れました。遠藤さんは、果樹栽培の経験がなく宮城県内でも桃140本という大規模面積から始めることを聞き、定植後、選定・摘果・防除・袋掛け・収穫と、1年間の作業の節目ごとに同地区を夫婦で訪れ、桃づくりに必要な技術と知識を教えました。同組合も遠藤さんが手掛ける桃を何度も視察に行き技術交流は続きました。
昨年、初めて石巻青果へ出荷する際や直売する際も遠藤さんは訪れ、形や品質の検査を指導するなど「いちじくの里」の門出を祝いました。
同組合の尾形善久組合長は「いろいろな人たちの協力と熱意がこの桃に込められている。美味しい桃になると思う。多くの人たちに宮戸の桃を知ってもらい手に取って欲しい」と思いを話しました。
桃の収穫は8月からはじまり、石巻青果やJA農産物直売所のほか圃場でも直売することにしています。
販売目標金額は200万円以上で、1本の木に実る桃の数も作年の2倍となる100個を目指します。今年も桃を通し宮城と福島を結ぶ熱い農業魂が大きな実を結ぼうとしています。
同組合は、東日本大震災で被害を受けた水田を県の圃場整備事業で造成。汎用水田として復旧した土地に28年からイチジクと桃の栽培を1㌶から始めました。現在の栽培面積は、今年から「あかつき」30本を加えた桃170本とイチジク380本、柿80本を3㌶に栽培しています。