宮城県東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」は8月8日、東日本大震災の津波被害を受けた農地で栽培していた桃の収穫を始めました。
昨年に引き続き2年目を迎えた今年は、7月の低温長雨の影響で糖度の低さが懸念されましたが、天候も回復し、色づきもよく、甘みの強い桃となりました。初日は17コンテナ(約350玉)を石巻青果市場へ出荷。今後は石巻青果市場を中心に1万5000玉、200万円を販売目標にしています。
同組合の尾形善久組合長は「出来栄えは申し分ない。出荷し終えるまで不安はつきものだが、奥松島の桃として皆さんに喜んでもらえるよう引き続き頑張っていきたい」と話します。
収穫したのは「まどか」と「紅綿香(くにか)」。桃の栽培は、県と市、JA、地域農業者が取り組む「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」の一環。津波被害後に水稲栽培が難しくなった水田を県が汎用水田として造成後、農地を守るとともに新たな地域特産品にしようと2016年から60㌃で桃の栽培に取り組んでいます。福島県の桃農家の指導を受け、剪定(せんてい)や消毒などの管理を行ってきました。
同組合は、今年から「あかつき」30本を加えた桃170本とイチジク380本、柿80本を3㌶に栽培しています。