
宮城県東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」は8月28日、東日本大震災の津波被害を受けた農地で栽培した桃を「復興の証」として宮内庁へ贈呈するため、東松島市役所へ届けました。
同組合は、県と市、JA、地域農業者が取り組む「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」を利用し、津波被害後に水稲栽培が難しくなった水田を県が汎用水田として造成後、農地を守るとともに新たな地域特産品にしようと2016年から60㌃で桃を栽培してきました。桃を手掛ける生産者は8人。地元の漁業従事者がほとんどで、知識も技術もない中、縁あった福島県の桃農家の遠藤道男さんの指導を受け、今年で2年目の出荷を迎えました。
同組合の尾形善久組合長は「いろいろな人たちの協力と熱意がこの桃に込められている。宮戸の桃が復興の証として宮内庁へ届けられることに驚いているとともに、今後、皇室献上品となるよう、引き続き頑張っていきたい」と思いを話します。
贈る桃は品種「紅綿香(くにか)」で、1玉450グラム前後の大きく色づきの良い桃を2箱(1箱5玉入れ)。市は現在、野蒜地区一帯で令和の果樹の花里づくりプロジェクトを推進しており、宮内庁へはプロジェクトのリーダーである加藤慶太副市長が8月29日に上京し届けました。
同組合は、今年から「あかつき」30本を加えた桃170本とイチジク380本、柿80本を3㌶に栽培しています。桃の出荷2年目となる今年は約2万個を販売しました。糖度が14度前後と非常に高く、好評です。