
石巻市河北地区でセリを生産している髙橋泉氏が12月11日、石巻市立飯野川中学校で地域の食材と食文化を伝えるため講師を務めました。2年生20人が参加し、河北セリを使い調理実習を行いました。
調理の前に髙橋氏が河北セリの概要やこだわりを「約300年の歴史がある河北セリは地域の恵まれた気候や地形、そして地下水によって育てられ、全て手作業で大切に出荷しています。セリの魅力を少しでも覚えていってください」と説明しました。
調理実習では、河北セリを天ぷらとふりかけに調理しました。天ぷらの揚げ時間は30秒、ふりかけはさっと色が変わる程度の短時間で炒め、過熱しすぎると色や食感が悪くなるなどのポイントを教わりながら調理を進めました。生徒らは「セリのおいしさに気づけた」「セリは根も食べられることは知らなかった」など地域の味を存分に楽しみ、新たな発見もしました。
髙橋氏は生徒らにセリをプレゼントして「今日、作った料理を家で家族に振る舞ってほしい」と話しました。
髙橋氏は「子どもたちが地域から離れても、セリの時期には『帰って、河北セリを食べたい』と思ってもらえるようなセリにしたいという強い想いがあるからこそ、努力し続けることできる」と語りました。
地下水が豊富に湧く河北地区では、県内第2位の生産量を誇り、10~2月に根ごと収穫する「根セリ」と、4~5月に茎葉を刈り取る「葉セリ」の2種類を出荷します。「葉セリ」は石巻地域特有の産物で、柔らかく香りが良く、クセの少ない品種「飯野川在来」限定で出荷。柔らかい分長距離輸送には向かず、地元市場のみに出回る希少価値の高い食材となっています。