JAいしのまきセリ部会は3月27日、葉せりの収穫を目前に現地検討会を開きました。コロナウイルスの感染拡大を受け、巡回人数を制限しマスクの着用等の対策を講じ、圃場8カ所を巡回しました。これは、伝統ある野菜の継承と品質向上、品質統一を図るため同部会が昨年から始めました。
暖冬の影響で生育が早まる予想だったが、その後気温が下がり生育が停滞。しかし、ネットを張るなど防寒対策を徹底したことや、生産者の管理が行き届いたことから順調に生育しています。講師を務めた宮城県東部地方振興事務所農業振興部の鈴木俊矢技師は「病害虫の被害がなく、生育は良好。寒い日が続くと生育が停滞してしまう。まだ寒暖差が激しいので引き続き注意が必要」と呼びかけました。
葉せりは、冬に一度枯れたセリの根から、春の温かさで出てきた新芽を収穫します。「葉せり」は石巻地域特有の産物で柔らかく香りが良いクセの少ない品種「飯野川在来」限定で出荷しています。葉が柔らかいため、長期距離輸送には向かず、約1か月間の短期間にのみ地元市場に出回る希少価値の高い食材となっています。
高橋正夫部会長は「たくさんの消費者に葉せりの魅力を体験してもらうために、今後も安全・安心なものづくりに勤しんでいきたい」と語ります。
同部会は「河北せり」のブランド化を目指し、農産物として県内初となる地理的表示保護制度(GⅠ)の登録に向けての取り組みが進められています。20年度の葉せりは部会員14人中10人が90㌃で栽培。5月上旬頃に最盛期を迎え、5月中旬までに17㌧を㈱石巻青果や道の駅「上品の郷」に出荷します。