東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」が2016年から栽培を始めた「紅錦香(くにか)」70本と「まどか」70本の桃の花が満開を迎えています。同組合は2015年4月に設立。東日本大震災で被害を受けた水田を県の圃場整備事業で造成。漁業従事者も多く構成員8人で汎用水田として復旧した土地に「農地を守り新たな地域特産にしよう」とイチジク、桃、柿の栽培を始めました。
桃の栽培については知識や技術を縁のあった福島県の桃農家の遠藤道男さんが定植後、選定・摘果・防除・袋掛け・収穫などすべての作業などを同地区に夫婦で訪れ教えました。同組合も遠藤さんが手がける桃を学びに福島県に足を運んでおり、現在も交流は続いています。
4月17日、同組合は3回目の選定作業を行いました。今年度は1本に実る桃の数300個を目指し、袋掛けの数も昨年の2倍の約4万個に行う予定。今年はコロナウイルスの影響で圃場での直売やイベント等での販売が難しいこともあり、市場出荷を中心に新たな販路拡大を目標にしています。
同組合の尾形善久組合長は「『桃といえば奥松島』というイメージを作るために、全員が同じ意識を共有し、今までやってきたことに磨きをかけ、さらにおいしい桃を作っていきたい。近い将来、ブランド化も考えている。いろいろな人の想いが詰まった奥松島の桃を多くの人に味わってもらいたい」と熱く語ります。
同組合は栽培面積3㌶で昨年から「あかつき」30本を加えた桃170本とイチジク350本、柿80本を栽培し、目標販売金額600万円を目指します。