石巻市福地の㈱宮城リスタ大川が約90㌃で栽培する輪菊が出荷最盛期を迎えています。今年は目立った病害虫の被害もなく、7月頃の気温は例年と比べると低温で菊にとって適した環境だったことから、順調に生育しました。
8月1日から盆用の出荷が始まっており、8月中旬までがピーク。12日間で約4万本の出荷を見込んでいます。「精の一世」と「精の光彩」の2品種を㈱石巻花卉園芸に出荷します。
7月29日から8月7日までの期間、JAいしのまきから研修生が訪れ、菊の刈り取りや束ね作業、袋詰めなどを同法人の従業員と一緒に行いました。
同JAでは若手職員を対象に農業研修を取り入れています。これまで農作業の経験をしたことがない職員が少なくないことから、農作業を実際に行い、農家・組合員・JAに対する理解を深めてもらうことを目的に入組して3年目まで毎年、数回実施しています。
同法人の大槻一平氏は「今年は新型コロナウイルスにより、花卉に大きな影響が出ている。花卉の需要回復の一助になるため、いつも以上に丹精込めて栽培している。お盆にはそんな思いのこもった、きれいな花でお墓参りをしていただきたい」と話します。
同法人は、東日本大震災の影響で農地に破滅的な被害を受け、人的被害も大きかった同地区の早期復興を目指し、2013年5月に設立。現在は役員2人と社員8人が中心となって、輪菊と水稲を栽培。輪菊はJAいしのまき管内でも最大級規模の産地で、年間約20万本を出荷しています。
今後は9月上旬から始まる彼岸用の菊の出荷に向けて、管理をさらに徹底し、高品質の菊を栽培していきます。