
東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」は8月30日、東日本大震災で津波被害を受けた農地で栽培する桃の収穫体験を行いました。
これは、同地区で栽培する桃を子どもたちに知ってもらい、地域の農業に関心を持ってもらおうと2018年から取り組んでいます。同地区のこどもを対象に無料で実施するもので、当日は約50人の元気いっぱいの子どもたちが参加し、桃を収穫しました。
同組合は東日本大震災の影響で水稲栽培が困難になった農地を守ると同時に、新たな地域特産を生み出すことを目的に2016年から60㌃で桃を栽培しています。今年度は「紅錦香(くにか)」と「まどか」約3万個を現地直販や石巻青果などに市場出荷しました。
子どもたちは組合員に教わりながら桃を次々に収穫し「大きな桃が取れた」「この桃は絶対おいしい」など笑顔を浮かべながら夢中になって桃をもぎ取りました。収穫した桃は組合員らがチェックし、一人10個ずつ持ち帰りました。
同組合の尾形善久組合長は「子供たちに自分たちが住んでいる地域ではおいしい桃を育てていることを知ってほしい。そして将来、この中からこの地で桃作りを引き継ぐ人が出ればうれしい」と収穫体験に込める思いを語りました。
今後も同組合では「宮戸の桃」をより多くの人に知ってもらえるように、収穫体験などを通じてその魅力を発信していくと共に、地域に寄り添った活動を展開し地域活性化に尽力していきます。