東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」が東日本大震災の津波被害を受けた農地で栽培するイチジクの収穫が10月2日から始まり、4日に今年度初の出荷を行いました。
今年は7月の日照不足及び8月の乾燥・高温により生育に遅れが見られたものの、おおむね順調に生育しました。
10月5日、収穫初日は小ぶりだった実が、ここ数日の間でさらに成長し、色が付いてきました。組合員5人はそれらを一つ一つ大きさや熟し具合などを確認しながら収穫しました。収穫は2~3日に1回行われ、10月下旬まで続きます。
同組合の尾形善久組合長は「水田だった土地で果樹栽培に取り組み数年経つが、毎年目の前に広がる景色に感動する。支えてくれた人の期待に応えられるように、それ以上の努力をして、良いものを作っていきたい」と志を話しました。
同組合は、津波被害を受けた農地の再生を目指して、2015年4月に設立。構成員の多くは漁師であるため、漁業活動の手の空く3~10月に栽培できる作物として2016年にイチジクの栽培を開始。その後、桃や柿の栽培にも取り組んでいます。
今年度は、石巻農業改良普及センターから新たにイチジクの苗木50本の提供があり、現在は406本で栽培しています。出荷量は昨年の290㎏以上を目標に石巻青果に出荷する予定です。