石巻市河北地区の伝統野菜「河北せり」が12月23日、農林水産省の定める、地域の農林水産物や食品の名称を保護する地理的表示(GI)保護制度に追加されました。宮城県内の青果物としては初の登録となります。
2018年7月に「河北せり」のブランド化を目指し、JAいしのまきセリ部会と石巻市河北せり出荷組合、皿貝農産組合の3組織が「河北せり振興協議会」を設立、同年10月にGI申請の手続きを行いました。昭和35年頃に栽培体系を統一、昭和57年に出荷規格の見直しを図り伝統ある野菜の継承に取り組んできました。現在23人の生産者が約8.4㌶で栽培しています。
同協議会の高橋正夫会長は「ここがゴールではなく新しいスタート地点。これからも『河北せり』を守り、継承していくために生産者が一丸となって栽培に取り組んでいく」と新たな決意を語りました。
地下水が豊富に湧く河北地区では約300年前の江戸時代にセリの栽培が始まりました。県内第2位の生産量を誇り、10~2月に根ごと収穫する「根せり」と、4~5月に茎葉を刈り取る「葉せり」の2種類を出荷しています。セリ田の水深を十分に満たす地下水が確保できる環境から、他産地より茎葉が長く、縦箱出荷で鮮度保持に優れているなどの特徴があります。
GIに登録されると専用のマークを付けることができ、知的財産としてブランドの保護につながります。今回の登録で、GIは計105品目、県内では3品目となりました。