宮城県東部地方振興事務所は、東部地域農業の活性化と農業所得の向上を目指し、JAいしのまきと協力して高収益作物として期待されるアスパラガスの導入・定着に取り組んでいます。これは県内7圏域で取り組む「みやぎ食と農の県民条例推進圏域重点プロジェクト」の一環です。
東松島市西矢本地区にある㈱パスカファーム立沼で3月3日、栽培管理勉強会が行われ、生産者32人が参加しました。今回の勉強会には、令和3年度からアスパラガスの栽培に取り組もうと考えている生産者も多数参加しており、熱心に講師の話を聴講する姿が見られました。講師にはパイオニアエコサイエンス㈱園芸種子部東日本事業所の松永邦則さんを迎え、定植と収穫の準備について、実演を交えながら学びました。
松永さんは、定植前にほ場の条件や土について知ることで栽培が円滑に進むことや定植時期の見分け方などを説明しました。また、「令和2年に定植して,令和3年に収穫が始まる株については、遅霜の被害を受けて白くなった若茎をそのままにしておくと新しい若茎の萌芽が遅れるので、必ず取り除くこと。収穫は朝に行い、乾いている時はかん水することで収量が増加する」と話しました。
アスパラガスは、一度定植すると10年以上収穫が可能ですが、定植2年目以降は病害虫対策が大きな課題となり、近年では国内の作付け面積が減少傾向にあります。こうした状況の中、明治大学とパイオニアエコサイエンス(株)で「採りっきり栽培Ⓡ」法が共同開発されました。この栽培法では、毎年株を更新することで病害蔓延や生育障害のリスクが軽減されるため、同JA管内でも取り組む生産者が増えてきています。
栽培管理勉強会は、昨年の4月からスタートし、今回で10回目を迎えました。来年度も継続して、県とJAが2か月に1回程度定期的に開催し、その時期に適した管理や注意点などを呼びかけていきます。次回の開催は4月上旬を予定しています。