
JAいしのまきセリ部会が栽培する「河北せり」が最盛期を迎えています。4月から5月に茎葉を収穫する葉せりの出荷が4月7日から始まり5月中旬まで行われます。今年は部会員9人が86㌃で栽培し、17㌧の出荷を目指します。
石巻市飯野川の高橋泉さんは15㌃で栽培しています。「今年も香り高く、高品質なせりに育った。鹿などの食害をネットなどで防ぎながら、出荷量を確保していきたい」と話しました。
早朝から収穫し、自宅で丁寧に選別・洗浄・結束・箱詰め作業を行い、夕方にJA集荷場へ出荷します。その日のうちに地元青果市場へ運ばれ、翌朝には新鮮な葉せりが店頭に並びます。作業は家族総出で行い、選別作業は地元の人を雇用しています。髙橋さんは1日約20~30㌜(1㌜20束入り)を出荷します。
河北の葉せりは、柔らかく香りが良いクセの少ない石巻地域の品種「飯野川在来」限定で出荷しています。寒さに弱い品種で極寒期に一度冬枯れし、春の温かさで出てきた新芽を収穫します。葉が柔らかいため、長距離輸送には向かず地元青果市場へのみ出荷しています。出荷期間も約1か月間と短く、地元でのみ味わえる希少価値の高い食材となっています。
昨年、石巻市河北地区で栽培している「河北せり」が農林水産省の定める、地域の農林水産物や食品の名称を保護する地理的表示(GI)保護制度に登録されました。宮城県内の青果物としては初の登録です。
泉さんは「昨年、念願のGIに登録され、我々生産者の意欲もさらに高まっている。今が旬の葉せりの香りや柔らかさを味わってもらいたい」と語りました。
