東松島市宮戸地区の奥松島果樹生産組合「いちじくの里」は8月28日、東日本大震災で津波被害を受けたほ場で栽培する桃の収穫体験を行いました。同地区の親子約40人が参加し、食べ頃の桃を夢中になって収穫しました。
これは、同地区で栽培する桃を知ってもらい、地域農業に関心を持つきっかけ作りを目的に2018年から取り組んでいます。
子どもたちは組合員から収穫のコツや食べ頃の桃の見分け方などを教わり「大きくて、おいしそうな桃だ」「収穫した桃を早く食べたい」など歓喜の声に包まれました。収穫した桃は組合員らが一つ一つ丁寧に確認し、一人7個ずつ持ち帰りました。
同組合の尾形善久組合長は「収穫の楽しさや『宮戸の桃』のおいしさをたくさんの人に知ってほしい。これからもこの地で農業を続け、地域の活性化に貢献していきたい」と話しました。
同組合は東日本大震災の影響で水稲栽培が困難となった農地を守り、新たな地域特産を生み出すことを目的に2016年から60㌃で桃の栽培を開始。今年度は生育が順調で約4万個の桃が実りましたが、8月中旬頃の長雨の影響で2割程度が被害を受けました。出荷は7月下旬から8月下旬まで行われ「紅錦香」と「まどか」「あかつき」を石巻青果などに市場出荷しました。他にも、現地直販で「宮戸の桃」の魅力を発信しました。