JAいしのまきセリ部会は11月2日、12月下旬に出荷最盛期を迎える「河北せり」の現地検討会を開きました。部会員11人が参加し、石巻市皿貝や中島地区などのほ場12カ所を巡回して、生育状況や今後の管理方法などを確認しました。
昨年は9月上旬の猛暑で種苗の採取・発根が困難で種不足となりましたが、今年は台風の影響も受けずに順調に苗の播きつけができ、10月7日より出荷が始まりました。
講師の宮城県農業・園芸総合研究所野菜部の高橋勇人さんは「11月は気温が低くなり、葉枯病と葉腐病の発生が多くなるので注意が必要。計画的に防除スケジュールを立てて、高品質な『河北せり』を出荷してほしい」と話しました。
石巻市河北地区の伝統野菜「河北せり」は昨年、特産品のブランドを知的財産として守る国の「地理的表示(GI)保護制度」の認証を受けました。
同部会は、少数精鋭で「河北せり」のブランド維持、知名度向上に努めています。生産者12人が300㌃で栽培しており、目標出荷量47㌧の達成を目指します。収穫は2月頃まで続き、道の駅「上品の郷」などで販売されています。
また、限りある労働力の中で収量増加のため面積当たりの収穫量が高く、調整作業が容易とされている宮城県育成「Re14―4」の栽培にも取り組んでいます。数年かけて増殖させ、将来的に販売につなげる考えです。