古くから日本の山野に自生し、栄養食・強壮食として広く食され、別名“山薬”“じょよ”とも呼ばれて漢方薬としても珍重されてきた自然薯。石巻市桃生町で木管楽器サックスのような珍しい形の自然薯が若山智彦さん(63)のほ場で見つかりました。
12月5日、収穫作業に汗を流していたところ、自然薯栽培用のパイプから奇妙な生え方をする自然薯を発見し、掘り進めていくとサックス型の自然薯が姿を現しました。若山さんは「前日、ジャズコンサートに足を運んでおり、サックスが奏でる音の余韻に浸っていた最中のことで驚いた」と目を丸くしながら話しました。
若山さんは測量関係の会社で代表を務める傍ら、畑でブドウやイチジクなど数種類の果樹を栽培する兼業農家です。自然薯の栽培はコロナ禍でお家時間が増え、何か新しいことにチャレンジしたいと考えていた時、知人から誘われたことをきっかけに栽培を始めました。3年目を迎えた今年は初年度の3倍となる30本を5月末に植え付けました。
自然薯の栽培では、乾燥させないように徹底して時間を決めて灌水し、雨水の侵入と加湿状態を防ぐためマルチを張るなど工夫しながら栽培しています。
収穫したサックス型の自然薯はしばらくの間、鑑賞賞として自宅で飾る予定で「今まで楽器に触れたことはなかったが、この機会にサックスに挑戦しようと考えている」と自然薯を見つめながら笑顔で話しました。