石巻産大麦「ミノリ麦」を焙煎して「香煎」とし、石巻産小麦「夏黄金」に配合した蕎麦のような食感で、風味豊かな新商品「香煎うどん」を農事組合法人舟形アグリと宮城学院女子大学現代ビジネス学部の石原慎士教授ゼミ、㈲島金商店、㈱山形屋商店の4組織が共同で開発中です。
JAいしのまき管内では小麦より大麦の方が3倍以上の規模で栽培しており、JA管内でも「香煎」は、古くから親しまれてきました。しかし近年、若年層を中心に香煎を知らない割合が増加。その点に着眼し、香煎を知らない人にとって「新しい商品」、知っている人にとっては「懐かしい商品」をコンセプトに商品化をスタートしました。
また、つゆにもこだわり、香煎の香りを消さないよう、醤油は控えめの薄味で石巻らしさを表現するため鯖だしを採用しています。
12月11・12日の2日間限定でいしのまき元気いちばにて「香煎うどん」100パック(200食)を試験販売しました。同ゼミの学生らが試食を提供しながら、アンケート調査を行い、商品の感想や反応などを探りました。試食した人は「蕎麦とうどんの間のような食感で面白い」「香煎を始めて味わったが、香り豊かで好みだ」など一定の評価を得られました。
今後はアンケートの結果を基に4組織が相互に連携を図り、改善を行って本格的な販売を目指します。
原材料となる大麦と小麦を栽培する舟形アグリの佐々木茂代表は「これからも農畜産物や加工品を通じて、地元の魅力を発信していきたい」と語りました。
同ゼミでは、地域産業の活性化を目的に石巻市の被災企業などとともに商品開発の手法や異業種連携によるビジネスの方策について研究を進めています。石原教授は「食には人を呼び込む力がある。地域に広げ、食の力で地域活性につなげていきたい」と話しました。