いしのまきの畜産
畜産への取り組み
JAいしのまきでは、約200名の組合員が子牛・肉牛・生乳・子豚・肉豚および緬羊などの畜産物を生産しております。
このようななかで、繁殖牛部会ならびに肉牛部会を中心とし「いしのまきの和牛生産振興」を合い言葉に、地域内一貫生産体制(JA管内で生産された子牛をJA管内で肥育すること)を連携をしながら推進し「いしのまきの和牛子牛」ならびに「仙台牛いしのまき」の銘柄確立に向けて生産振興に取り組んでおります。
また、生乳においても、酪農部会が中心となり、生乳の安全・安心生産に向けて、稲ホールクロップサイレージなど自給飼料生産および生産履歴記帳運動への取り組みをメインテーマとし、生産活動にまい進しております。
JAいしのまき畜産課 TEL:0225-62-3553
JAいしのまき 繁殖牛部会
当部会では黒毛和種を飼養し管内全体の産肉能力、種牛能力の向上を図るとともに斉一性の高い雌牛群の整備と優良雌牛の保留強化に努めています。取り組みの中で得た技術を子牛市場などで実践し、魅力のある子牛を育成します。
飼養管理マニュアルと生産交配マニュアルを作成し、統一性のある「いしのまきの和牛」を目指しており、繁殖牛部会において指定交配などを行なっています。
構成 | |
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部会長 | 遠藤 好洋 |
副部会長 | 遠藤 篤行、内海 喜政 |
部会員 | 127人 |
飼養頭数 | 1,200頭 |
販売頭数 | 900頭 |
JAいしのまき 肉牛部会
平成15年7月にJAいしのまき管内にある畜産部会を統合し、肉牛部会を設立しました。これにあわせ、各地区ごとに生産されていた肉牛を「いしのまきの和牛」として、各地域の特色を取り入れた、新しいブランドづくりが始まりました。
JAいしのまき管内は、良質な子牛を生産していることから地域内一貫生産体制を推進するほか、地元で栽培した「ササニシキ」「ひとめぼれ」などの良質な稲ワラを使用し、とうもろこしや麦類を中心とした飼料の利用に努めています。
肉牛部会では、消費者の皆さんが求める安全・安心でおいしい最高級霜降牛肉「仙台牛」を生産するため、意欲的に活動しています。
構成 | |
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部会長 | 佐々木 義孝 |
副部会長 | 児嶋 時雄 |
部会員 | 20人 |
飼養頭数 | 700頭 |
販売頭数 | 420頭 |
JAいしのまき 酪農部会
JAいしのまき酪農部会は、旧北上町、旧河南町、旧矢本町の6戸の酪農家が毎日搾乳を行っています。
部会員一人ひとりが安全・安心をモットーに皆さんの食卓にお届けしています。
また、良質の粗飼料(ホールクロップサイレージ)を有効活用し、経営努力も行っています。
「うまい牛乳をもう一杯いかがですか。」
構成 | |
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部会長 | 武山 吉一 |
副部会長 | 大内 健一 |
部会員 | 6人 |
飼養頭数 | 180頭 |
日量生産量 | 2,850キロ (牛乳ビン180cc x 約15,800本分) |
子牛が出荷されるまで
牛は、285日で生まれます
牛は、人工授精をしてから285日(約10カ月)で生まれます。
出産予定日を簡単に計算する方法として、授精した月から3カ月引いて、授精した日に10日足します。
例として、12月3日に授精した牛は、9月13日(月は、12月-3カ月=9月。日は、3日+10日で13日)が出産予定日となります。
新しい「いのち」の誕生です
牛の赤ちゃんが無事生まれました。
生まれたての牛は30分くらいで立ち上がり、母乳を飲み始めます。この最初に飲む母乳を「初乳」と呼びます。
初乳には、病気などに対抗するための免疫などが含まれています。
出生を届け出ます
子牛が生まれたら、すみやかに出生届をJAへ提出します。また、牛を個々に管理するための耳標(じひょう)をつけ、子牛登記を行ないます。
この取り組みは、牛トレーサビリティー法(牛の個体識別のための情報管理および伝達に関する特別法)に基づき実施しています。
地元でとれた良質な稲ワラですくすく育っています
牛が食べるエサは、地元でとれた「ササニシキ」や「ひとめぼれ」などの良質な稲ワラと乾草やトウモロコシ、フスマなどを配合した飼料です。
牛の育ちをチェックします
JAでは、出荷する牛の育ちを確認する「子牛共励会」を行っています。
子牛共例会は、管内の各地区で毎月実施され、牛の体高や体幅、見栄えなどの生育状況を基準表をもとに評価します。審査委員に石巻市、宮城県畜産振興部・全農みやぎの職員が努めます。
成績が優秀な牛は、記章を付け市場に出荷されます。
いよいよ子牛を出荷します
毎月子牛の出荷が行なわれます。
生まれてから10カ月ほど、手塩にかけ育てた牛が子牛市場に運ばれ、セリにかけられます。
子牛は県内外の肉牛生産者や大手の畜産業者に引き取られていきます。また、雌の子牛は、出荷されず繁殖の後継として農場に残るものもあります。
肉牛が出荷されるまで
子牛を買い付けて育てます
毎月中旬に開かれる子牛市場で、肉牛として育てる牛を買い付けます。
繁殖から肥育まで一貫してやるときもありますが、大体は、市場で買い付けてきます。
牛には耳標がついていて、個体情報などをインターネットで確認することができます。
約20カ月かけて、丹精込めて育てます
約20カ月丹精こめて肥育し、肉牛を約700~900kgに仕上げます。
エサの基本は、穀物(とうもろこし、麦、大豆類)と稲ワラなどです。これらを牛の成長過程に合せ配合を変えていきます。
JAいしのまき管内では、地元でとれたササニシキ・ひとめぼれなどの稲ワラを与えています。
安全と肉質をさらにチェックします
出荷後、と畜された牛は、BSEなど食肉衛生の検査を受けます。
検査を受けた食肉に格付したものをセリ販売にかけます。
「仙台牛」は、格付け最上級の牛肉
「仙台牛」のふるさと宮城県は全国でも有数の霜降り牛肉の産地で、平成6年度、13年度、28年度、29年度に全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞を受賞するなど、まさに質、量、共に全国でもトップレベルを誇っています。
「仙台牛」とは、黒毛和種であること、仙台牛生産肥育体系に基づき、宮城県内で肥育されたもので枝肉規格でA-5、B-5に格付評価されたものであることが条件となっています。
牛乳が出荷されるまで
2つの種類の乳牛からミルクをつくります
「ホルスタイン種」、「ジャージー種」という、2つの種類の乳牛から、ミルクをつくっています。
ホルスタイン種は、乳量が多いのが特徴です。また、多くの乳牛生産農家が飼養しています。
ジャージー種が出す生乳は、食味が良く、店頭では特定販売されるほどです。
ミルクが出るのは、子どもを産んでから
乳牛は、生まれてから約24カ月齢で子どもを産み、生乳を出すよう管理されています。
子牛が成長する期間は、管内にある石巻市営上品山牧場に放牧し、生乳がいっぱい出せるように、足腰を鍛え丈夫な体をつくります。
出産した牛は、10カ月間生乳を出しつづけます。
生乳10キロに、配合飼料3キロが目安
1頭の牛から1日、19キロ(牛乳ビン約105本)の生乳を搾ります。
生乳1リットルをつくるのに400~500リットルの血液が必要といわれています。
そのため、養分の高い配合飼料などを選び、使用しています。配合飼料を与える目安は、生乳10キロに対し、配合3キロです。
飼料の自給生産
乳牛のエサには、オーツヘイ・ヘイキュウブ・ビートパルプなどの購入粗飼料やホールクロップサイレージなどの自家産粗飼料があります。
また乳量を豊富にするため、酪農家族17号や圧ペン大麦などの高カロリーな配合飼料を与えています。
搾った牛乳は、清潔な容器に入れて保管
搾乳は、朝・夕2回行なわれます。
生乳は集荷までの間鮮度を保つため、バルククーラー(低温で生乳を保管する装置=写真上から2番目)に保管しています。
生乳の集荷は1日1回で、毎朝行なわれます。
ローリー車が集めた生乳は、一たん石巻市鹿又にある鹿又クーラーステーションに集められ検査を行ないます。
ミルクやチーズなどに加工されます
協力:みちのくミルク株式会社
鹿又クーラーステーションで検査を受けた牛乳は、乳業工場に運搬されます。
搬入された生乳は、摂氏3度まで冷やされタンクで保管されます。
生乳は、搬入された翌日に飲用牛乳やチーズなどに加工され、学校給食や小売業者などに出荷されます。
JAいしのまきでは、組合報「まごころ」を毎月発行しております。
「IRODORI」
地域住民の皆さんにさまざまな情報をお届けするコミュニティ紙「IRODORI」を発行しています。